ムック「06〜07ツアー サイケデリックアナライシス」atなんばハッチ
2007年2月10日 音楽
初めて生で見るとあって、緊張で若干挙動不審になりながら早く始まっちまえよ!とSEの鳴り止むのを待ち望んでいたのだけど、その期待を十分に満たす充実したライブだった。選曲はやはり『極彩』からのものがメインで、そのタイトル曲で激しく幕を開ける。
一曲目「極彩」からまだ自分のテンションが上がりきっていなくて十分ついていけなかったのが物凄く悔やまれるほど熱い演奏を聴かせる。その後「嘆きの鐘」「スイミン」といきなり畳み掛けるのにも嬉しい驚きを感じたのだけど(「スイミン」があんなに楽しいとは!)、その流れへ更に「絶望」が叩き込まれるなんて!とイントロでの逹瑯の呟きを聴いている段階で感無量すぎて悶絶して、ソロ部分でYUKKEがベースを掲げるようにして一瞬だけはじくように弾いた(チョッパーと言うの?)姿にもかっけー!と思ったりもして、序盤から見せ場多く進んでいく。
事前に読んだライブレポでは、ライブになるとギターのミスが時々目立つ事が指摘されていて、確かに「ガーベラ」のギターや「蘭鋳」(だったかな)のボーカルのピッチのずれなどのうわものが若干乱れる場面はあったのだけど、リズム隊が硬派で終始どっしり安定しているおかげで全体が崩れない印象を受けた。それから演奏の分厚さもさることながら、逹瑯の力強いライブパフォーマンス(なんて取り澄ました言い回しをしたら申し訳ないほどの)が熱気を高めていたように思う。腕を高く掲げて(ぐいーんって感じで)引き寄せるようなアクションや片足を高く上げて暴れたりのほか、ツイストみたいな動きや床に座り込んでのヘドバンもあったりで物凄くアクティブ。ライブ映像と同じだ!みたいな変な感動を味わいました(笑)そんなふうに逹瑯が、コール&レスポンスや縦横無尽のアクション、渾身の叫びでもって積極的に流れを作っている印象がしたのだけど(フロントマンだからというだけかもしれないけど)、それがはっきりと功を奏している事が会場の熱気を通して感じられた。攻めるだけでなく観客のテンションを絶えず引き出そう/引き寄せようとしているというか、距離を縮めようとしている姿勢が感じられたというか…個人的にはあの歌いながらの自然な手の動きがすごく良いなと思うし誘発された部分はかなりあった。
中盤の、セッションからつなげられた「25時の憂鬱」は、聴き応えありだろうと想像していたがやはり空気が濃密だった。ピーンとした不穏な音色のギターが鳴らされる瞬間のしびれる緊迫感、それからソロ部分で原色のライトが激しく瞬く中に断続的にとどろくドラムは何だか雷鳴を思わせて視覚的ですらあった。見せるという意味ではこの曲が個人的にはハイライト。
もう一つ印象的だったのは「流星」かな。最近の楽曲の中ではかなり好きなのだけど、放射状の照明のせいで逹瑯に後光が射していたのがいかにもという感じで若干笑えたのだけど、原曲の美しさとは違ったおもむきのある演奏だった。途中で突然ドラマチックに色づきこちらへ向かってくる(ように聞えた)ギターも良かったし、ボーカルは地面から噴射する切実さのほとばしりを思わせて、半分デス声で歌われる「流星」というのもこれはこれでなかなか熱量に満ちていて感動的だった。
それから新曲の「リブラ」。MCを聞いた感じでは大阪が初披露?最近の流れからして次もポップ系かと思っていたのにハードコアに近いもので意外性に打たれた。Aメロはラップというか語り調で、サビでメロディーへ開けるパターンかと思いきやここでも楽器隊の比重が大きかった(ライブだからかもしれないが)、全体的にミドルで重い曲。サビでボーカルの枯れ声にギターがクラシックのカノンの導入部を彷彿とさせるフレーズでさり気なくかぶさってきたのがとても綺麗だったのだけど、これは全くうろ覚えだし音源では違うものになるとは思う。
アンコールは、「これ何でライブで盛り上がるの?」と疑問だったがいざ生で聴くと本当に楽しかった「大嫌い」(こんな内容の曲なのに皆で笑顔でノッている光景は奇妙で笑えた)、曲間で一旦演奏を止めたところへSATOちが立ち上がって客席を煽ってドラミングののち元の流れへ戻る「名も無き夢」(かっこよかったなー)、息もつかせない硬派なハードコア「G.M.C」と進む。
でこの時考えていたのが、私としては「G.M.C」でストイックにしめても良いけどな、でもどうせ最後に「優しい歌」で大団円って感じにするんでしょ、ぐらいの超投げやりな予想だったのだけど(というのも「優しい歌」の沖縄ソング風味が全然受け付けなくてCD再生時にも唯一飛ばしていたので)、すべてが終わってみてすぐにそれを撤回した。これが演奏されている時の雰囲気がアットホームでとてもあたたかかった。途中で客席と一緒に合唱するパートがあるけれど、凄く気持ちが入っているのが伝わってきたのとメンバーも笑顔だったのと、上手くは言えないけれど会場がやわらかい一体感に包まれていたように思う。これをラストにおいた事で今日一日の見え方がぐっと変わったし、過大なずれた評価かもしれないが愛情のようなものが受け取れたライブだった。いい人達だなーとさえ思って、しみじみとあたたかさをかみ締めながら帰った。
メロコア系の楽曲(謡声、名も無き夢、夕紅)も昔のビジュアル系然とした曲(「スイミン」等はこのジャンルの持つ独特の面白さが出ていると思う)もそれぞれの彩度を持って存在していたのが面白かったかな。こういう人達が突き抜けて明るい楽曲もやる事に感慨深いものを覚えました。本当に楽しかった、男らしいライブでした。また是非行きたい。
そういえば数少ないMCの中で「イヤホンしてると声が聞こえにくいんだよね…(と言いながら外して)おおーすげー………今鳥肌たったわ…」と歓声を聞いて素朴な感想をもらした逹瑯の何気ない口調が良かったです。
超楽しかったのでうろ覚えセットリスト(2/25訂正)
1.極彩
2.嘆きの鐘
3.スイミン
4.絶望
5.キンセンカ
6.ガーベラ
7.蘭鋳
8.月光
9.パノラマ
10.リスキードライブ
11.ディーオージー
12.25時の憂鬱
13.ホリゾント
14.流星
15.謡声
16.娼婦
17.茫然自失
18.夕紅
19.リブラ(新曲)
en.1
20.大嫌い
21.名も無き夢
22.G.M.C
en.2
23.優しい歌
一曲目「極彩」からまだ自分のテンションが上がりきっていなくて十分ついていけなかったのが物凄く悔やまれるほど熱い演奏を聴かせる。その後「嘆きの鐘」「スイミン」といきなり畳み掛けるのにも嬉しい驚きを感じたのだけど(「スイミン」があんなに楽しいとは!)、その流れへ更に「絶望」が叩き込まれるなんて!とイントロでの逹瑯の呟きを聴いている段階で感無量すぎて悶絶して、ソロ部分でYUKKEがベースを掲げるようにして一瞬だけはじくように弾いた(チョッパーと言うの?)姿にもかっけー!と思ったりもして、序盤から見せ場多く進んでいく。
事前に読んだライブレポでは、ライブになるとギターのミスが時々目立つ事が指摘されていて、確かに「ガーベラ」のギターや「蘭鋳」(だったかな)のボーカルのピッチのずれなどのうわものが若干乱れる場面はあったのだけど、リズム隊が硬派で終始どっしり安定しているおかげで全体が崩れない印象を受けた。それから演奏の分厚さもさることながら、逹瑯の力強いライブパフォーマンス(なんて取り澄ました言い回しをしたら申し訳ないほどの)が熱気を高めていたように思う。腕を高く掲げて(ぐいーんって感じで)引き寄せるようなアクションや片足を高く上げて暴れたりのほか、ツイストみたいな動きや床に座り込んでのヘドバンもあったりで物凄くアクティブ。ライブ映像と同じだ!みたいな変な感動を味わいました(笑)そんなふうに逹瑯が、コール&レスポンスや縦横無尽のアクション、渾身の叫びでもって積極的に流れを作っている印象がしたのだけど(フロントマンだからというだけかもしれないけど)、それがはっきりと功を奏している事が会場の熱気を通して感じられた。攻めるだけでなく観客のテンションを絶えず引き出そう/引き寄せようとしているというか、距離を縮めようとしている姿勢が感じられたというか…個人的にはあの歌いながらの自然な手の動きがすごく良いなと思うし誘発された部分はかなりあった。
中盤の、セッションからつなげられた「25時の憂鬱」は、聴き応えありだろうと想像していたがやはり空気が濃密だった。ピーンとした不穏な音色のギターが鳴らされる瞬間のしびれる緊迫感、それからソロ部分で原色のライトが激しく瞬く中に断続的にとどろくドラムは何だか雷鳴を思わせて視覚的ですらあった。見せるという意味ではこの曲が個人的にはハイライト。
もう一つ印象的だったのは「流星」かな。最近の楽曲の中ではかなり好きなのだけど、放射状の照明のせいで逹瑯に後光が射していたのがいかにもという感じで若干笑えたのだけど、原曲の美しさとは違ったおもむきのある演奏だった。途中で突然ドラマチックに色づきこちらへ向かってくる(ように聞えた)ギターも良かったし、ボーカルは地面から噴射する切実さのほとばしりを思わせて、半分デス声で歌われる「流星」というのもこれはこれでなかなか熱量に満ちていて感動的だった。
それから新曲の「リブラ」。MCを聞いた感じでは大阪が初披露?最近の流れからして次もポップ系かと思っていたのにハードコアに近いもので意外性に打たれた。Aメロはラップというか語り調で、サビでメロディーへ開けるパターンかと思いきやここでも楽器隊の比重が大きかった(ライブだからかもしれないが)、全体的にミドルで重い曲。サビでボーカルの枯れ声にギターがクラシックのカノンの導入部を彷彿とさせるフレーズでさり気なくかぶさってきたのがとても綺麗だったのだけど、これは全くうろ覚えだし音源では違うものになるとは思う。
アンコールは、「これ何でライブで盛り上がるの?」と疑問だったがいざ生で聴くと本当に楽しかった「大嫌い」(こんな内容の曲なのに皆で笑顔でノッている光景は奇妙で笑えた)、曲間で一旦演奏を止めたところへSATOちが立ち上がって客席を煽ってドラミングののち元の流れへ戻る「名も無き夢」(かっこよかったなー)、息もつかせない硬派なハードコア「G.M.C」と進む。
でこの時考えていたのが、私としては「G.M.C」でストイックにしめても良いけどな、でもどうせ最後に「優しい歌」で大団円って感じにするんでしょ、ぐらいの超投げやりな予想だったのだけど(というのも「優しい歌」の沖縄ソング風味が全然受け付けなくてCD再生時にも唯一飛ばしていたので)、すべてが終わってみてすぐにそれを撤回した。これが演奏されている時の雰囲気がアットホームでとてもあたたかかった。途中で客席と一緒に合唱するパートがあるけれど、凄く気持ちが入っているのが伝わってきたのとメンバーも笑顔だったのと、上手くは言えないけれど会場がやわらかい一体感に包まれていたように思う。これをラストにおいた事で今日一日の見え方がぐっと変わったし、過大なずれた評価かもしれないが愛情のようなものが受け取れたライブだった。いい人達だなーとさえ思って、しみじみとあたたかさをかみ締めながら帰った。
メロコア系の楽曲(謡声、名も無き夢、夕紅)も昔のビジュアル系然とした曲(「スイミン」等はこのジャンルの持つ独特の面白さが出ていると思う)もそれぞれの彩度を持って存在していたのが面白かったかな。こういう人達が突き抜けて明るい楽曲もやる事に感慨深いものを覚えました。本当に楽しかった、男らしいライブでした。また是非行きたい。
そういえば数少ないMCの中で「イヤホンしてると声が聞こえにくいんだよね…(と言いながら外して)おおーすげー………今鳥肌たったわ…」と歓声を聞いて素朴な感想をもらした逹瑯の何気ない口調が良かったです。
超楽しかったのでうろ覚えセットリスト(2/25訂正)
1.極彩
2.嘆きの鐘
3.スイミン
4.絶望
5.キンセンカ
6.ガーベラ
7.蘭鋳
8.月光
9.パノラマ
10.リスキードライブ
11.ディーオージー
12.25時の憂鬱
13.ホリゾント
14.流星
15.謡声
16.娼婦
17.茫然自失
18.夕紅
19.リブラ(新曲)
en.1
20.大嫌い
21.名も無き夢
22.G.M.C
en.2
23.優しい歌
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