腑抜けども、悲しみの愛を見せろ/本谷有希子
2006年2月16日 読書
ISBN:4062129981 単行本 講談社 2005/07 ¥1,470
読む前の、題名や表紙からの連想に比べたら(賭けのような気持ちで購入しました)、面白くて感覚的にもそんなに壊れていない物語という印象。一方で描写がやや説明的で流れが少し平坦に感じられもした。説明部分や文体に何となく演劇の脚本っぽいものを感じたのだけど、あとで見たら著者は演劇関係の人なのですね、と納得。それだけに舞台を連想させる演出的なラストシーンは面白かったけど、小説としては物足りなさも。
女優になると思い込みある田舎を出た姉が帰ってきて、妹など身近な人達をヒステリックに振り回し、徐々に隠された関係性や互いへの思いが見え始め…という話。田舎の、または兄弟間の閉塞感が作品内にも描かれているけど、なんか不十分である気がしたのは、やっぱり文体が主語・述語しすぎてきっちりしすぎているせいなのでは、と。ラストで家に残されたあの二人の組み合わせが、今後どうなるのかなあと興味をひかされる。
読む前の、題名や表紙からの連想に比べたら(賭けのような気持ちで購入しました)、面白くて感覚的にもそんなに壊れていない物語という印象。一方で描写がやや説明的で流れが少し平坦に感じられもした。説明部分や文体に何となく演劇の脚本っぽいものを感じたのだけど、あとで見たら著者は演劇関係の人なのですね、と納得。それだけに舞台を連想させる演出的なラストシーンは面白かったけど、小説としては物足りなさも。
女優になると思い込みある田舎を出た姉が帰ってきて、妹など身近な人達をヒステリックに振り回し、徐々に隠された関係性や互いへの思いが見え始め…という話。田舎の、または兄弟間の閉塞感が作品内にも描かれているけど、なんか不十分である気がしたのは、やっぱり文体が主語・述語しすぎてきっちりしすぎているせいなのでは、と。ラストで家に残されたあの二人の組み合わせが、今後どうなるのかなあと興味をひかされる。
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