そっちに案内が届かないんだけど引っ越した?と友人Kからメールが来たのは前日で、勢いで中学時代の同窓会に参加する事に決定。次の日早速仕度して駅へ。地元へ。
嫌いなはずの地元に戻る気になったのは、会いたかった子がいたからだ。当時ラルクとマリスミゼルの話で気が合い、彼女はROUAGEを私はLaputaを追いかけるというビジュアル系真っ盛りな時期だった(Laputaは今でも聴くが)。表情や挙動が無気力で、「死にたいと言う人の気持ちはわかるよ」と水飲み場で確かもらしていた。卒業後数人で彼女の家に遊びの誘いをかけたら断られたのが最後の記憶で、後は高校を中退したらしい事以外どうしているかわからないまま今になる。何故か彼女の事は頭にずっとあった。

結局彼女は不参加だったわけだがそれは何となく予想はついていた。問題は、地元に戻れば誰かしら消息くらいは知っているだろうという読みがことごとく外れた事で、何のためにわざわざ…と内心ぶつくさ言うという有様の私。会費は七千円というのも激痛。

■数人の人に微妙に絡みつつ、ほとんどは友人Iと一緒に行動。ずっと男の子っぽく色恋沙汰にも無縁だった彼女が「これ、今好きな人」と写メールを見せてくれた時にはちょっとしみじみ。そうかあ…とまるで親御さんのような気持ちに。

■会場内を見た瞬間何であんたとあんたとあんたが来とんねん!!!と物凄い勢いで体の内側の何かが引きつる。勿論同窓生だからに決まっているわけで、自覚している以上に中学の事を忘れているなあと思う。その内一人はコネで地元の幼稚園に入ったがやめたとの噂。原因はイジメ。お前は自分が過去やった事のツケを今払っているのさ…とどす黒く醜い思考を働かせる自分はどうかしている。病気か。
しかし君が幼稚園の先生…いや、あんな暗かった分際で…な自分には人の事言えないしやめた。就活中の福祉フェアで高校時代の知り合いにそっくりな人を見かけて怯えて身を隠した記憶がセットで思い出される。

■会う人会う人「仕事やめた」「学生(院生)」の二通りでげんなりする。「辛いけど仕事頑張ってるよ」という話を希望として持ち帰りたかった(かなり打算的)。
そういや子持ちの人もちらほら…。お母ちゃんかあ…すげえなあ…と尊敬のような念を抱く。

■ところへ「…あ、おお」「…久しぶりっす」と目が合い話が始まる。中高通して色々とトリッキーな事をやらかし一種独特の雰囲気を持っていて周囲を湧かせていた男。気になるのは、以前高校の集まりで「実は案外友達いない、なじめない」と疲れたように川原の隅っこで口にしていたから。この日話してみての第一声が「なあ、この雰囲気微妙じゃねえ?俺どうしたらいい?」だった。相変わらずか。「俺友達いないもん」という言葉を明るくエンターテイナーな彼の口から聞くとは思わなかった。
今何してるん?と尋ねて返ってきたのが「住宅関係の営業、ぼちぼちやってる」だった。正社員としてこつこつ頑張っているのは、高校までの表面的なイメージからすれば少し意外だったかもしれない。だけど今回唯一嬉しい返答だった。
一度喫茶店で雑多に語らってみたい。色々面白い話が出てきそうだと見当をつけているが。どの友達よりも、近い匂いを勝手に感じている私。気持ち悪いですか。

■「微妙じゃねえ?」というのは彼の主観ではなく、確かにいきなり運動会のビデオだらだら流したりして(しかも誰も見ていない)、まとまりに欠けるし工夫もされていない集まりではあった。これで七千円…と色々な人の口から聞く。

■ヒップホップ風の今時の若者がいたのでありゃ誰だ??とずっと疑問だったが、最後の最後に判明する。定期テストで一位に固執して、もしや今回はお前が一位か〜と私に纏わりついてたあの人か!と驚愕。年月は人を変えるな…。まあでっかい眼鏡にひっつめ髪で前髪そろってたいかにも暗い風貌だった私が人の事は言えないが。

自らこう言うのもおこがましいものの、耐えて耐えて耐えて…で今までやってきて、その終着地点がこんなもんだったんだろうか?と最近心に暇ができると呆けたように感じてたまらなくなる事がある。耐えるだとか自意識過剰だし若干感傷寄りでよろしくない。だが、あの頃は「未来があるから」というのが一つの拠り所だった、しかし今対価としてこうして手にしたものは?もう人生が終ったつもりを気取るのはよろしくないが、何だかそんな事を考え込んで気が塞いでやまない。
そんなスイッチとしてこの会は機能してしまったのだった。ちゃんちゃん

コメント

繭

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索