新譜が出たばかりなのにこれを取り上げますが、情の濃いものを求める気分の時に繰り返し聴いてしまうアルバム。かっこいいなあいいなあと思いもするけど、あとは本気で胸が熱くなってしまう。

「死」というものを濃密に感じるのは何なんだろう。死に向かっているという事ではなく、始まりがあり終りがあるという事を射程内に入れ、しかもそれを生々しく感じさせる力があると思う。語彙の豊富さ、と単にいうだけでなくて、例えシンプルな言葉でもそこに込めるものの深さや重さが半端ではなく、本当に豊かであるなあとしみじみ感じる。凄いなあと。単に力量というよりは、吉井さんという人が濃く反映されているのかなあと、半ば夢見がちにとらえてしまいますが。

どうしてもイエローモンキー時代と比べてしまうのだが、ソロの楽曲はことさらに盛り上がったり着飾ったりせずに、熟成された感情をゆっくり吐き出すような、のったりとぬめるようなメロディーが陰鬱でけだるげで、そこがいい。
曲間でふっと入るギターのフレーズの音色が湿っぽいのも好きだ。
「20 GO」「TALI」の二曲だけでもバッチリ心は掴まれたのだが、特に「TALI」には自分には足りなくて、これから必要なものを考えさせられる。独特の言葉のセンスが生きている歌詞、サビ部分のパーカッション(?)が印象的だった。「西日で部屋の全部がオレンジ色になっちゃって〜」というサビの部分は気付いたら頭の中で流れている。「”辛かった””楽しかった”積もうね積もうね BABY I LOVE」というシンプルな歌詞で何でここまでぐっとくるんだろう。

まあとにかくかなり愛聴している一枚。

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最近購入したものとしては、吉井さんの『WHITE ROOM』と、突発的にDir en grey『Withering to death.』を。最近レンタルか中古ばかりだからいいよねと甘い言い訳をしつつ、あとはバックホーンの『ヘッドフォンチルドレン』は買うつもりだが、ジャケットを見てバクチクの『十三階は月光』も欲しくなった。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1510486
やっぱりこういうの好きだわと改めて思う。作風自体はもっと昔のが好きなんだけど。暗くてもメロウでもいいから、メロディー志向のものを聴きたい。

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繭

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