名前を聞いて、奇をてらった奴らかと即座にイメージした。ついでに「ウグイス」か何かのPVをちらっと見たせいかバンドだと思っていた。そう思いながらもじっくりCDを聴いてみて、その両方が間違いだった事に気付く。あまりのまっとうさに初めは嬉しい驚きを感じ、何度も聴くうちにスネオの醸し出すちょうどいい温度は私の生活の中にじわじわ浸透してきた。

そんな風にスネオの音楽は、日常的な手触りであり一見した感じではとても心地良く耳になじむ。しかしそうやって何食わぬ素振りで投げかける言葉やメロディーの中に、どうしても心地良くは流れてくれない感情がそこらにまぜてあって、それが後になって体の内側からチリチリとくすぶり痛みを与えるようなところというか、実はしっかりと癖が隠れていて単純に聞き流せないようになっているところが侮れないんだと思う。

退屈や焦り、どうにかしたいがそれがままならない時の思いを歌うが、もっと若い人達のそれに比べるとスネオヘアーの楽曲は、ゆったりと、腹にずんとたまる重さを持ってこちらに問いかけてくるように感じる。それは決して押し付けがましくも一方的でもなく、そのやるせない気持ちを目の前の相手と共有するように語られるようだと感じる。

ところでこのアルバムで偶然にも再会した「現在位置」、ずっと昔にどこかで聴いた事があるんだけど思い出せない。サビで一気に景色が目の前に展開するようなメロディーの運びと歌詞の鮮やかさが印象的で素晴らしい曲。何かのタイアップに使われていたとかだろうか。「自問自答」にはやわらかく後押しをされるような思いがし、ゆるやかに日常に戻れるように感じられる。

ともかくじわじわと抜け出せなくなっています。少しひねくれた、でも全然わざとらしくない所が大好きです。

コメント

繭

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索