図鑑

2004年10月10日 音楽
くるりの中でダントツで好きなのがこのアルバムです。怪物じみた物凄さが襲い掛かってくる印象を受けて、一聴した限りでは何となく得体の知れないものに触れる時のような恐ろしさがあって敬遠していたんですが。「街」が凄いと思う。叫ぶような歌い出しから始まる。うわあっ…って息を飲む。



 夕暮れのスーパーマーケットの前で吸うタバコや
 それを見て微笑む愛する君のまなざしも
 青すぎる空を飛び交うミサイルがここからは見えない

 見る夢はこの日の夢
 帰ろうかな やめようかな
 鍵をさがして 

 この街は僕のもの

人間臭さが濃くにおい立つ風景。奇妙さと哀愁。衝動的に前のめりになって突き進む音に圧倒された。混沌とした感じというか、涼やかな表情の底で煮詰まった情念がうねっているような音楽で、よく分からない迫力に飲み込まれそうになります。
静かな海を見ているのに、とてつもなく不穏な予感や違和感が胸に充満する感じというか。でも実際に何かが起こっても何食わぬ素振りで生活は続くのかもしれない。

本当に素晴らしくて強烈でおそろしい。とにかく凄いとしか言えなくて歯がゆい。

コメント

繭

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