リアル

2004年3月23日 音楽
一聴して「バクチク?」とか思ったんですけど。こういう感じの曲があっても違和感ないなと。そんなの自分だけっぽいが。単に私がバクチク好きだからってだけです。
タイトル曲「リアル」は打ち込みサウンドに乗っていくつかのフレーズが延々ループする異色作。重い緊張感がみっちりつまった7分半。そう来たか!って感じでした。ずっと3ピースにこだわってほしくもあったので。
リアルというなんかそのまんまなタイトルの割に、伝えたい事を極限まで削ったような歌詞はかえってそのために抽象的になっていたり、その歌詞が乗るのが生音ではなくデジタルな音であったりで、別に「リアルとか言っといて打ち込みかい!」とは思わないんだけど(寧ろこの歌詞ならアリだと思う)、どういう意図なのかを探ってしまう。
日常や現実の雑多な匂いがしないリアルっていうのは、全ての物事が派生する中心にある理念のようなものを指すのか…って妙に頭を巡らせてみてもやっぱりわからないんですけど。インタビュー出るの待とう。
たまに前向きな事を言っていても素直にそれを受け止めずに、一旦syrup16gという文脈に入れてから解釈する自分がいる。って普通誰でもそうなのかもしれないけど。別に言葉を額面通り受け取る必要があるわけでもなし。ただ「こうあって欲しい、こうであるはずだ」という先入観で、元々の姿を歪めて都合いいように見てないかという危険性がいつも私にはあるので。そのために相手の重要な変化に気付かない事もあるだろうし。
一方の「うお座」はメロディーにしても歌詞にしても視点が優しくて切ない。リアルとは打って変わってシンプルな楽器構成でさりげなく聴かせていて、聴くごとにじわじわ良くなってくる。何かこの透明な感じや掴めそうで掴めない切なさがいいなあ…。でもアルバムに入るのかと思うとピンと来ない。
詞のテーマや精神面では「delayed」あたりに近いように思った。
しかし発売後にも関わらず「タイトル未定」はないだろうアマゾン。

ジャパンの二万字インタビューも読んだ。しかし…これ反感覚える人もいるんではと少しひやっとした。ひどく自己同一化しているファンならがっかりする人もいるかもななどと。
でも色々そつなくできる割にそこに何の気持ちも込められない、全く心が動かないという食い違いはそれはそれで「そんな事言って実際恵まれてるじゃん」と他人が軽くいなすべきではない切実なものがあるように思う。周囲の共感をあまり得られない分余計。
凄いなと思ったのはスポーツが嫌いな理由を述べた部分で、この人の理想とする世界の話とも合わせて考えると結構複雑な思いが…。ああわかるなそれ、と(流石に私は試合にまでその考え方を適応しないものの)でも現実とは折り合いの付きにくい考え方だよなと、もやもやしてしまったんですが。今後どう折り合いを付けていくのか、それとも変化しないでこのまま行くのかを見ていきたいと思う。

クーデターについて語られていて嬉しかった。「My Love’s Sold」の、マイラブが何に当たりそれをソールドするとはどういう意味かって、そういう事だったんだ!と。
あとは佐藤さん(前ベース)について触れるとは思いもしなかった…詳細を知らないので「リズムよりメロディーを弾くタイプの人なんだー結構好きだなあ」と単純に思ってたんですが、単に好みの問題ではなくそんな思惑があったんだなあ…て事はフレーズも指定されていたという事?ともかくあの作品の聴き方が深まりそうなインタビューだった。
ジャパンの何が嫌かって「ジャパンはsyrup16gと共犯関係を築いてきた」云々抜かしちゃうその姿勢なんですけど。前の号でそんな風な文章を見つけた時はおいおい…と。でも一つ一つの文章自体は面白いので読んでしまう。

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繭

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